恥ずかしい話、私は昔から外からの評価を気にするタチだ。それは学校の成績しかり、仕事の評価しかり。それも人から気に入られる、褒められるという主観評価以上に、数値での評価を気にする。テストの成績や資格取得などある程度の結果を出して安心、満足するタイプだ。
そういうわけで自分の妊娠にケチがつくことに耐えられない私は初期からの様々な検査に何も引っ掛からず、体重増加や栄養バランスも褒められてばかりで妊娠後期に入るまでは満足、安心しきって過ごしていた。
しかし中期の終わりの頃、エコー中に医師からまだお行儀が悪いですね〜と告げられ、ようは逆子だということだが、この時点ではそんなに気にしていなかった。次の検診では頭位に戻って油断していたら、その次の検診でまた逆子になっているという。その日から寝る向きに気をつけたり大きなお腹で結構きつい逆子直しの体操をしたりの日々が始まったが、検診のたびに逆子を指摘され、毎回のように助産師さんが別室で逆子直しの外回転術を施すようになった。これは熟練の助産師さんだけが施せる技で、胎児はその場では一旦頭位に戻るのだが、数日でまた横になったりひっくり返ったり落ち着かない状態を繰り返して、精神的に苦痛だった。もちろん人より検診回数は増え、外回転術の度に費用もかさんだ。
そして私はクルクル落ち着かない胎児にだんだんイライラするようになったのだが、この時初めて自分が気をつけたり努力してもどうにもならない事があるとまだ見ぬお腹の子から教えられたように思う。産後、逆子どころではない凄まじい試練が待ち構えていたのだがこの時はまだ知る由もない。
逆子を直すために
張り止めの服薬
逆子体操
外回転後の腹帯
以上3点は病院側からの指示だが、張り止めに関してはお腹の張りはそんなに気にならなかったし、副作用を調べて怖くなったので自己判断でやめてしまった。
逆子体操は継続したが、かなりきつい体勢でストレスが半端なかった割に効いたのかは微妙だった。
腹帯は肌が弱くて痒みが出てお腹がかぶれたのに加えて、腹部を圧迫することにより足がむくみ、身体がしんどくなったので、これも数日でやめてしまった。病院の言うことを聞かないのはどうかと思ったが、心身のストレスになるようなことはなるべく避けたい妊娠中なので、後悔はない。
お灸
足の小指の外側にある至陰というツボに毎日お灸を据え続けた。
温める
飲み物は常温以上、夏場もレッグウォーマー着用、毎日シャワーでなく入浴で温めることを意識して過ごした。
言い聞かせ
最後にはなんだかんだこれかなと思う。私以上に夫が毎日のようにお腹に向かって、頭下だよーと声をかけ続けた。
神頼み
氏神様のところに頻繁にお参りに行きお願いした。あとは、お墓参りに行き御先祖に妊娠の報告と安産をお願いした。
最終的にいよいよ37週で帝王切開が決まったが、手術日当日にエコーで直っていることが判明し、そのまま帰宅となった。
しかしその後39週でまたも逆子になっていたため、その場の外回転術で戻ったものの、逆子状態で破水したら危険との判断で、くだんの計画分娩になった。
言い聞かせとか胎教とか、全くやる気がなかったが、妊娠中は不思議な現象が度々起きたり、産後も赤ちゃんには何か科学的には説明できない力があると感じる時がある。
臨月にたまたま胎内記憶で有名な池川明先生にお目にかかる機会があり、その場で胎児に語りかけをしたところ、まるで返事をするかのようにリズミカルな胎動が返ってきたのには驚いた。
最後の最後には胎児は頭位になり、計画とはいえ夫がいる土曜日を選んだかのように元気に素早く出てきてくれた。