パクチーは個性が強いハーブなので、用途があって買っても最後まで使いきれずに余らせ気味ではないだろうか。
今回はそんなパクチーを活用した簡単で美味しいレシピをご紹介。
タコのセビーチェ
茹で蛸を食べやすい大きさに切って、水にさらしてよく水気を切った玉ねぎのみじん切りと、あればパプリカ、ピーマンなどのあまり水分の出ない野菜のみじん切りを加える。レモン汁、オリーブオイル、塩、柚子胡椒、クミンを加える。最後にパクチーの微塵切りとレモンの皮のすり下ろしを加え全体をあえる。
非常に爽やかな味わいで、パクチーとクミンが合わさることによりエキゾチックな雰囲気になる。全体的にあっさりした食材だが、仕上げのオリーブオイルでこくも加わる。
このセビーチェにはスーパーのOKで買った500円くらいの安過ぎるカバがとても合った。写真に写っているPASOS DE OROというカバだ。カバ単体だと酸味がきつく、泡が物足りなく感じられたが、セビーチェの風味と合わせるとどちらも止まらない美味しさだ。表示がBRUT NATUREなので、一番メジャーなBRUTよりも残糖量が少ないので、酸味がきつく感じられるのだろう。
カバといえば、主な生産地はバルセロナから内陸に少し入ったところだが、あの辺りではイカやタコもたくさん消費されるので、自然な組み合わせなのだろう。
更には、イベリア半島はその昔イスラム圏の支配下だったこともあり、クミンやパクチーのようなエキゾチックな香辛料が根付いているのもよく合う要因かもしれない。
カバが安すぎると言っても、現地では外食時にミネラルウォーターを頼むよりもカバのボトルの方が単価が安かったりするので、日本が特殊なのかもしれない。
近所で美味しい地蛸が手に入るので、蛸のアヒージョは頻繁に作るのだが、今回はニンニクをたまたま切らしていたのでセビーチェにしてみたところ、思いがけず美味しかった。
火を一切使わないので、これから夏になるに連れても重宝するレシピだ。
鶏ひき肉のスパイスカレー
在宅ワーク中は朝昼晩の3食の支度に加え、10時と15時のお茶出しもあり、慣れるまでしばらくはこちらもクタクタだ。
夫は夫で普段のランチなら外食したりお弁当を買いに行く際に外の空気を吸ってリフレッシュ出来るのだろうけれど、在宅ワークだとそうもいかない。書斎から出てきてダイニングに上がってくるだけでは息が詰まるだろうと思い、バルコニーでカレーを食べてみた。
鶏ひき肉のスパイスカレーの作り方は、まずニンニク生姜玉ねぎの微塵切りをこんがり色づくまでしっかりと炒める。そこにひき肉を合わせ、油が馴染んだらカレー粉を入れ、香りが立つまでよく炒め合わせる。その後トマト缶とヨーグルトを入れて軽く煮込む。最後にパクチーを刻んだものを入れて混ぜ合わせる。ガラムマサラがあれば火を止める直前に入れる。
カレーの味は良質なスパイスを使うのはもちろんのこと、最初の玉ねぎの炒め具合が肝だ。ひき肉は合い挽きでも豚挽きでもなんでも良いと思う。
蒸し鶏のご飯
この日の前日の夕飯は鶏肉の鍋だった。濃い目の昆布出汁ベースの鍋のスープが美味しかったので、残りのスープを使って土鍋でご飯を炊いた。炊く際に生の鶏肉(今回はせせり)に塩を擦り込んで、お酒をふったものを上にのせて同時に炊き込んだ。
炊き上がったタイミングでパクチーと、余り野菜(今回はレタスと大根の葉)を素早く入れて10分ほど蒸らす。
仕上げに、昼間近所の薬膳中華でテイクアウトしたよだれ鶏のたれの残りをかけて食べた。残り物を余すことなく利用できて主婦としては大満足した。残り物のない普段は食べるラー油やそのアレンジで代用できるだろう。
これも美味しい!鶏肉の旨味にパクチーの癖がよく合って、全体を引き締めている。あればピーナツを砕いたものをトッピングしたりねぎ系のソースをかけても良さそう。
個人的には夕飯にいきなりご飯ものを出すとお酒が控えられるのだが、夫は全く関係ないようで、前日の白ワインの残り、紹興酒、焼酎と次々と平らげていた。
土鍋で炊き込んだご飯は簡単なわりに見栄えが良いしとにかく美味しいので、ホームパーティーの締めに出しても喜ばれそうだ。
パクチーは、フォーやガパオライスだけではなく色々な料理に使える。一つ気づいたのは、セロリを使うレシピの代用にもなりうること。今後も研究していきたい。