私は毎回デミグラスソース缶なしでシチューを作るが、いつものように色がブラウンにならない。
調べたところ、小麦粉をまぶした肉を炒める時に、しっかり茶色くなるまで炒めなかったのが原因のようだ。
夫の好物なのでこれまでビーフシチューは何度も作っているのだが、高級肉にしろ今回のような安い部位の牛筋肉にしろ、これぞというレシピになかなか出会わない。
きょうの料理の人気レシピで作ると間違いなく美味しく出来るのだが、手間もかかるし洗い物も多い。
今回は面倒くさがって肉と野菜を別鍋で炒めずワンポットでやりきろうとしたため、火が十分に回らなかったようだ。
出来上がった牛筋のシチューはシチューというよりトマト煮込みになってしまった。
合わせたのは久しぶりにボルドーワイン。
でも、出来上がりのシチューの味としてはキャンティなどのイタリアワインの方がよかったかもしれない。
シャトー・ピュイ・ゲロー 2014年
超高級ワインの「ル・パン」や「パヴィ・マカン」を所有するティエンポン家が手掛けるお手頃なワインということで結構有名なワインだが、飲んだのは初めてだ。
AOCはフラン・コート・ド・ボルドーとある。「コート・ド」というのは「~の周りの」という意味なので、ボルドー周辺のワインですよということなのだが、具体的な場所を失念していたので調べてみた。
場所はサンテミリオンよりも北東にあたる内陸の地域だ。
2009年10月から、AOCコート・ド・ボルドーが併せてフランを表記することも認められたのだそうだ。
ブドウはメルロー主体でカベルネ・フランとマルベックも少し。右岸の典型的なセパージュだ。
香りはそこまで強くなく、味わいも滑らかで控えめな印象。夫は出来の良い日本ワインみたいだとコメントしたが、まさしくその通りだと感じた。
ただし同じ品質の日本ワインを2000円台前半で探すのは現時点では困難だろう。
合わせる食事は意外と和食よりの家庭料理もいけそうな印象だ。
例えば、肉じゃが、とんかつ、しめじと切り干し大根の煮物、牛バラ肉ときのこのオイスターソース炒めなどなど。
私は今ぐらいの時期、つまり春先でまだ朝晩は冷え込み、気温は不安定なのだが、日が着実にのびて日中の日差しに春の気配が感じられるこの時期に、サンテミリオンを筆頭に、メルロー主体のワインが飲みたくなるのだが、それは、この品種の持つ口当たりの優しさ、どこか土のような香り、甘やかな余韻の特徴が関係しているのかもしれない。